02-基本構想の提案




基本構想の提案(2005/10/17)UP


2004/11に現地を拝見して、基本構想の提案を行いました。

SB邸・基本構想

建築計画網・大系舎 1級建築士事務所



 1,敷地調査

2004/11/26に現地調査を行いました。

 

南側は、幅の広い浅草通りに面しているので、採光や通風を確保出来ますが、一方歩行者の視線や騒音が問題になると思われます。

北側は、北東の寺側に対して、空間の空きがあるので、通風や視線の抜けを確保出来そうです。

また東側のビルが近接しているので、こちら側は敷地一杯に建築をしたいところです。ただ、地中でビルの基礎や配管などが越境していないか調査する必要があると思われます。

西側は、公共建築の自転車置き場のため、空間が担保されているので、開口部を有効に活用することが可能だと思われます。

 

 工事上のことですが、東側は近接しているので、内側からの施工が必要になってくる一方、南側、西側、北側の3方は、交渉次第で、外側からの施工が可能だと思われます。外側から施工が出来るかは、外壁の工法を選択する上で重要な要素になります。

 




2,法的な規制

 

■商業地域

80/700

■防火地域

 

■地盤のデーター(別添資料参照)

近隣データーから推測すると、地下8M付近をピークとする層か、16Mをピークとする層のどちらかに支持させる杭の工法の検討が必要となります。

 

但し敷地の間口が狭いので、基礎工法は限定されると考えられます。

詳細は、地質調査の分析を待ってからですが、EZ工法など鋼管杭になると思われます。

 

なお建築のためには、ボーリング調査が必要になります。(費用は2030万円程度)

 

3,SB邸計画の基本方針

SBさんの要望事項を整理し、基本方針を定める。

いただいている要望を整理して考えると、設計レイアウト上、重要度の高いものは、以下の3点だと思われます。

重要度が高いとは、不変の部分のことであり、可変と不変の部分を整理することです。

 

1,時間をつくり出すことが出来る家=家事が楽な家

              ・LDKの階と、寝室階、水回り階の配置

              ・生活動線を整理する

 

2,当初が家族の専用住宅で、将来は店を開業出来ること。

              ・階段の位置、エレベーターの位置

              ・設備類の自由度が高い

              ・居住階とお店の階の配置

 

3,予算に近づけるための合理的な大きさ(階、面積)、工夫

              ・3階+ロフト →建築基準法の3階建て緩和規定を適用する。

              ・エレベーターは後で設置可能

             

以上の3点を考慮しながら計画を進めました。


当初の姿の平面図

将来の姿の平面図




 

    『当初の姿』案の概要

 

○1Fは駐車場、水回りゾーンとする

              ・間口の狭さを考え、南西角の柱を取らない構造上の工夫

              ・自転車置き場、物入れを十分確保

 

○2Fは寝室ゾーンとする。

              ・上下動線の中心として。

              ・浴室→サンルーム→アイロン台→クローゼットの流れ

              ・お子さんの成長を考え、徐々に間仕切り壁を増やしていく。

              ・サンルームの設置 →道路からの見え、すりガラスで見えない

              ・寝室系の部屋は、大きな開口が必要ない=プライバシー重視

○3Fは、LDKゾーンとする。

              ・キッチン周りの工夫(要検討)

              ・北側ベランダの設置(ゴミ置き場、通風など)

              ・天井の高さを高く取り、開放感を出す。(天井高=3M前後)

 

○ロフトの設置

              ・建築基準法的には、天井の高さは1.4M以下

 

○当初エレベーターを設置すると、狭いので、将来設置としています。

 

 

■『将来の姿』の概要

 

○1,2階で、蕎麦屋を開くことが可能。

              ・階段の位置、エレベーターの位置が有効な場所にある。

              ・DWなども設置可能とする。

 

○3階を、生活空間とする。

           ・少し狭いが、2人の生活なら可能。

           ・年を取ると、水平な移動空間が楽

 

○エレベーターを、お店と住居で兼用して使う。

           ・当初は、ローコスト化のため設置しない。

 

■ローコストのための工夫

今後、予算に近づけるためには、ローコストが必要です。

要点を述べると以下の通りです。

 

              @構造に素直になること

           A工種をなるべく減らす

           B80%のつくり=徐々に完成させていく。

 

 

以上でこの提案書を終わりに致します。十分にご検討いただくように御願い致します。

2004/12/20

目黒区中目黒2-7-11   宮岸ビル4F

建築計画網・大系舎  所長 大戸浩





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