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09:終の棲家=老後の家(2013年追記)

大戸様

 初めまして。Kといいます。○○市△△に住居があり家内と二人暮らしですが、現在郊外の研究所勤務で単身赴任、週末に戻る生活をしています。

 都内にある生家の建て替えを考えていますが、インターネットで設計事務所を調べて大系舎のホームページを知りました。設計・施工監理をお願いできないかと思い、メールを差し上げまし
た。

 ところで、私と家内は二人とも既に60歳を越えています。従って、住宅の一番大事なコンセプトは、今後15年から20年、どんどん年老いていく時期を快適で安全に過ごしたい、ということにつきます。
耐震・耐火、勿論バリアフリーで、階段はまっすぐで傾斜はきつくないこと、そして最初から必要ではないのですが、いずれは車椅子で乗れるホームエレベーターを設置する事を考えた設計をお願い
したいと思います。それとも、後からよりは最初から設置しておく方が良いのでしょうか。陽当たりがよく、夏は涼しく、冬は暖かいことは必須です。(今住んでいる家は隣に家が建ってから陽当た
りが悪くなり、それが非常に不満です。また、建て売りで在来工法の木造2階建てですが、夏は2階が耐え難く暑くなります。)二人で旅行をしたいので、留守中の防犯対策、留守であることが簡単にわからないような仕掛けもほしいと思います。

 各階の希望する間取りですが、まず自動車1台分の駐車スペースが必要です。1階には玄関、時には娘が夫婦・子供連れで泊まりに来てくれることも期待したいので、客間もほしいと思います。

狭くても、仏壇を置く仏間も必要です。生活の中心は2階で、リビングとキッチンに加えて家内が家事や趣味に使える一寸したスペースがとれればと思います。また、パソコン2台、プリンターも2階
に置きたいものです。夏は南側から北側まで素通しにすると良い風が通るので、リビングは是非そうしたいと思います。3階は私の書斎+寝室(洋間)と家内の寝室兼用の部屋(和室)がほしいと思っています。トイレは各階にほしいと思います。

 実は私たちは持ち物を整理することが苦手で、家具は安物でも今持っているものに愛着があり、できるだけ捨てないで持っていければと思います。その上、収納スペースは多ければ多い程良い、という主義です。

 以上、狭い敷地とコストの観点から、全部を実現するのは無理ではないかと思いますが、一応希望していることを全部書いてみました。予算は当然考えいる線はあるのですが、3階建て、耐火建築物、耐火構造、容積率一杯という条件でおよそどのくらいになるのかが分からないので、まず感じを伺ってから、改めて何を残し、何をあきらめるのかを考えてみたいと思います。

 できれば一度事務所に伺ってみたいと思います。土曜・日曜・祭日はやはりお休みでしょうか。最初に書きましたように、私は単身赴任で、平日はなかなか出にくいのです。

 お返事いただければ幸いです。

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はじめまして、Kさん。
建築計画網・大系舎の大戸と申します。

このたびは、住宅設計の件、お問い合わせいただきありがとうございます。
私でよろしければ、ぜひ設計のお力になれればと思います。

いわゆる老後を楽しむために住まうと言うことになるのでしょうか。
いわゆる『終の棲家』ということになるのでしょうか。

最近は、子育てのための若い人向けの住宅だけではなく、老後を楽しむための住宅の設計を手がけるようにもなってきました。
お話をお伺いしながら、よりよい住宅づくりが出来ればと思います。

キーワードは、まずはバリアーフリーだと思われます。
いわゆる床の段差の解消だけでなく、諸設備の扱いやすさ、メンテナンスの容易さなどもバリアフリーに含まれると思われます。

例えば、照明器具の計画は、明るさの確保だけでなく、電球の取り替えやすさ、スイッチの分かり易さなども含まれるので、テーマは幅広くあると思います。

ホームエレベーターは、メーカーが様々なタイプを開発しており、コストも以前より下がって来たので採用されることが増えてきました。

また省エネを前提とした熱環境の計画は、コストとの相談になりますが、今後は大切なテーマだと思います。

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また、老後の家といえども、病院や介護施設のような住宅でなく、これからの老後を楽しむための住宅であると良いと思います。

『終の棲家』というネーミングは、良くないので『楽の住処』という言葉を最近、使っています。

ラクであり、楽しい住宅であると良いと思います。

さて、もし可能なら、直接お会いしてお話をお伺い出来ればと思います。

ご都合などいかがでしょうか?

当事務所では、原則日曜日はお休みをいただいておりますが、土曜日は出勤いたします。ただし必要があれば日曜日、祝日などの出勤も可能です。

ということで、ご検討下さい。
今後ともよろしくお願い致します。


ya_01.jpgYA-HOUSE

(注)このご相談は、NO.23_YA-HOUSEへとつながりました。

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その後、完成した老後の家を紹介します。
自分たちの老後の家を越えて、幾世代も住み繋いで欲しいというコンセプトの住宅です。

老後の家=楽のすみか(2012年完成)
NO.41_TH-HOUSEへリンク

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