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02:坪単価とは(2013年追記)

(ある相談者から)

私のこれまでの経験では、雑誌や広告で目にする住宅の坪単価は、かなり安いように感じます。

それに比べ、建築家がお話になる坪単価は、少し高いように感じますが、どうしてですか?

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坪単価という言葉は、注意して下さい。

私が申し上げている坪単価の意味と、ハウスメーカーや雑誌などが言っている坪単価の定義は、少し違います。

私は、今回工事に必要なものを、全て込みのつもりで、申しあげております。(ただし外構工事、水道引き込み工事、カーテン工事などは別です。)

しかし、ハウスメーカーや雑誌などの坪単価は、普通は以下のものは組み込まれていない場合は多いです。良く『別途費用』とうたわれていますので、ご注意下さい。


1,照明器具

2,外部設備配管(建物と、排水升までは、いろんなケースがあり、一般化出来ない。)

3,システムキッチン(雑誌『住まいの設計』などでは、入れていない。)

4,その敷地の特殊条件など(地盤改良、車が入れないための運搬費など)

5,外構・植裁

などなど。

一般には、メーカーの言う坪単価は、実際は10万円/坪程度は加算しないと実際の単価にならないと言われます。つまり、最低限の単価であり、一般化出来ないものは、坪単価に含まれていないのが普通です。


しかし、これに対して、今回私が提案している坪当たりの単価は、すべてを込み込みのつもりで、お話しています。

今回には、特殊条件として、裏の擁壁が不十分なことによる、こちらの基礎立ち上げや、車が入れない分の人間の運搬費などを含んだつもりです。
 

だから、実際にはOM住宅としては、余裕があるわけではなく、結構厳しい単価ではあります。でも実現は可能だと判断しました。その理由はこれまでの○○さんとの会話から、減額のためのいろいろな提案が出来ると判断しました。

一方、メーカー住宅は、オプション方式ですから最低単価です。グレードをあげれば、単価はどんどん加算されていきます。


説明不足で申し訳ありませんでしたが、坪単価を同じ土俵にのせて比べられても少々困ります。

坪単価は、以上のように非常に曖昧な言葉です。ただしそれでも、設計者にとって、計画のはじめの段階では、コストの目標値の目安として非常に有効です。経験的に、どの程度の仕様が可能であるか把握することが可能だからです。ですから、私たち建築家は、クライアントのおっしゃる予算から逆算して、面積とグレード(坪単価)をある程度念頭に置きながら、計画を進めるのが、実際的なのです。

以上のように、坪単価は誤解が生じやすいので、一般の方が使われるときは、ご注意していただくようにして下さい。


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建築コストについては、ハウスメーカーや工務店など様々な立場から、金額などの情報が出ていますが、これらは統一した基準に基づくものではありません。
そのため、建築時に想定以上の費用が掛かったなどという話しも良く聞きます。

建築のコストに関しては、当サイト内に、詳しく解説したページをつくりましたので、そちらをご参照くださるよう御願いいたします。

ここでは、木造、鉄骨造、RC造など各構造別の建築コストを詳しく解説していますので、そちらもぜひご覧ください。

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