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03:遠隔地の設計監理(2013年追記)


はじめてメールいたします。Mと申します。

ホームページ拝見しました。オンライン設計はおもしろい試みと思います。
(中略)
私はN県住んでいます。1〜2年後に実家(木造:築26年)を取り壊し、二世代住宅を建てたいと考えています。できれば、玄関、台所、お風呂など別にした完全二世代住宅を希望しています。
(中略)
私のようなケースの場合、住宅メーカよりも設計事務所に依頼した方がよいのかなと思っています。
(中略)
また、御社のような東京の設計事務所に設計・監理を依頼した場合など、どうなるのですか。地元に知り合いの工務店はなく東京から来るのではコスト的に見合うかなど教えて下さい。

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はじめまして、Mさん。

まずはじめに、設計事務所の業務内容を、ご理解いただきたいと思います。

設計は、基本設計と実施設計に分かれますが、打ち合わせは、一般住宅で数回から10回程度です。

工事中の施工監理は、毎日行うものでなく工事プロセスのポイントに行うものです。工事の種類、難易度、施工業者の力量により異なりますが、普通は住宅で10〜20回程度だと思います。

 それ以外の監理の作業として、現場に出向かなくても、事務所のデスクワークとして、製作図・施工図チェック、色決め、図面・修正作成なども行います。

施工監理の目的は、設計図通り工事が進められているかが第1の目的です。それに付随して、工事指導、設計変更の指示、施主への報告などを行います。

良く混同されるのですが、施工業者の現場管理(字が異なります)は、ほぼ毎日行います。下請け職人の管理、資材の発注管理、工程管理などを主たる業務としています。

分かりやすく言いますと、施工監理は、施主の代理人として、施主の利益を守るために行われるチェックが第1の目的であり、第2の目的は、デザインがイメージ通り出来ているか確認する作業と言えます。

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 地方の設計については、私の場合は交通費を実費でいただくことにしています。多分、それが一般的だと思います。東京の設計事務所が関西の住宅を設計することもありますが、その場合は交通費は結構な額になると思います。

しかし今後は、インターネットを有効に活用すれば、今までの行動範囲を広げることが十分可能になってきました。
建築計画網・大系舎では、遠隔地でも、インターネットを活用すれば、近距離と同じような家づくりを行うことができると考え、実際にプロジェクトを行っています。 

メディアを活用して、遠隔地でもメールや、画像の交換を通して無駄な打ち合わせを無くすようにしてすれば、経費節減になると考えています。今手がけている住宅では、現場監理をマルチメディアを使って上手に監理する方法にチャレンジする予定です。

しかし反面、インターネット一辺倒に頼るコミュニケーションは、人間不在の危険性も感じています。大切なポイントは必ず現地に立ち会い、face-to-faceを心がけるようにしています。
インターネットは、使い方を間違えないようにすれば、とても有効で将来性があるメディアであると感じています。今後、まだまだ研究の余地があります。

それから、工務店についてはやはり地元に近い方が良いと思います。職人さんや監督の顔が見え、メンテナンスにも心配が無いような距離の工務店を探すことがポイントだと思います。
(大戸浩)

(参考)遠隔地の設計例_NS-HOUSE


na_01.jpgNS-HOUSE(栃木)

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最近、建て主のご夫妻が、仕事の関係で、日本とタイと別々なのでしたが、インターネットを上手く使って、家づくりを行いました。

私たちは、インターネットを使って、多少距離や時間にギャップがあっても上手に、家づくりを行う例は多いのですが、その中でもとて面白いプロジェクトでしたので紹介します。


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