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狭小地【3,4,5階建てしたまちの家】

近年、私達は台東区、墨田区、江東区、新宿区、大田区などの下町地区で、3,4,5階建て住宅の設計する機会が増えてきました。
このタイプの住宅は、下町の密集地の中で、中高層建築が多い商業地域・防火地域に多く立地することが特徴です。

また立地条件としては、間口が狭く、奥行きが長い、いわゆる「ウナギの寝床」が多く、階数は3,4,5階建てで、敷地の広さは10坪から15坪程度の狭小地にほぼ敷地一杯建ってることが特徴です。

下町の住宅密集地域/台東区

正面の幅が狭く、3,4,5階建てなので、セイタカノッポに見えるのが特徴であり、私達はこのタイプの住宅を【3,4,5階建て・したまちの家】(以下、したまちの家)と呼んでいます。

この“したまちの家”は、下町地域では決して特殊なものではなく、地価が高く、高層階利用が可能なこの地域では、一般的な住宅のタイプです。

AB-HOUSE/3階建て店舗併用住宅/台東区

ビルの谷間の狭小敷地(KT-HOUSE)

“したまちの家”は、住宅密集地の中で、敷地面積が10坪から20坪程度であり、平均すると15坪ほどの狭小地に建つ、小さな住宅がほとんどです。

そのため、設計上まず第一に考えるべきことは、狭さを少しでも解消することです。
狭いからとあきらめるのではなく、狭さと正面から向き合うことで、様々な設計のアイデアが湧いてきます。

また周囲の環境を注意深く観察し、自然や外部環境を活用することで空間は広がり、同時に自然光や通風などを取り込み心地よい室内のデザインが可能です。

下町では、すまいはまちの一部であると考えられているので、まちと住宅が強い結びつきを持ち、それは住宅のつくりにも反映されています。

祭りなどの四季の年中行事を楽しんだり、近隣コミュニティーを深めたりしながら、豊かに楽しく生活しています。

下町の盛大なお祭り(AS-HOUSE)

“したまちの家”は、下町の人々が、まちの中で活動し、まちのコミュニティーに関わることで下町生活を快適にエンジョイするための住宅です。

一戸の住宅がまちと関わることで、崩れかけているまちとの関係を改善するいわばまちのリノベーションの役割も担っています。

そしてもう一つの大切なことは、下町地区では、建築密集地であるがゆえに、都市防災的に地震や火災に強い防災型の住宅が求められることです。

そのため“したまちの家”には耐震性や耐火性の高い4,5階建て住宅を設計する高い設計技術力が求められます。

耐震性の高い建築構造(KI-HOUSE)

また一般的に下町地区の周辺は、河川の堆積物がつくった沖積層という地層で出来ているため、地盤が悪く、地盤対策が必要であり、専門的な設計技術が必要になります。

“したまちの家”は、これらの技術的な難問を、一つ一つクリアーして出来た私達の実績が詰まった住宅であり、今後もさらに進化していきます。

また一般的に下町地区の周辺は、河川の堆積物がつくった沖積層という地層で出来ているため、地盤が悪く、地盤対策が必要であり、専門的な設計技術が必要になります。
下町の小さな敷地でも、工夫次第で楽しく、居心地の良い店舗併用住宅が可能なはずです。

家族で支え合う2世帯住宅

“したまちの家”は、これらの技術的な難問を、一つ一つクリアーして出来た私達の実績が詰まった住宅であり、今後もさらに進化していきます。

TD-HOUSE/2世帯3階建て住宅/大田区

“したまちの家”の特徴を一言でいうと、”住宅自体は小さいのですが、まち全体が、自分たちのすまい”として意識されて成立していることです。
このイメージは、イラストに現すと、この図のようになります。

このように、まちという大きな広がりの全体を、すまいと考えているので、住宅自体は狭くても、楽しく豊かに暮らすことが出来るのです。

【まちがすまい】のイメージ図

住宅とまちとの関係が見直されている現代において、私たちは"したまちの家"の設計を通して、住宅とまちが大切な関係で繋がっていることを再認識しています。

次に”したまちの家”の特徴をピックアップして紹介していきます。