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  各プロジェクトの家づくりのプロセス、”出会い?設計?工事”の記録集です。
住宅が、どのようにつくられるか。 --- How is a house mede?
 

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Vol.04:どこに相談すべきか右往左往

4階建て住宅/店舗付き住宅/2世帯住宅
NO.58_OA-HOUSEができるまで
(2017/02/23)


相談していただいたOAさんの大きな悩みは、隣家がこちら側へ倒れかかっていることでした。


隣家が倒れかかっている状態で、こちら側の住宅を解体すれば、当然隣家も一緒に倒れてくるのは明白でした。

しかし10年ほど前に隣家は突然引っ越されて、その所有者の所在が不明であり、このような場合にどこに相談すれば良いかという問題がありました。


まずはじめにOAさんが区役所へ相談に行った時の区役所では、民間同士でのいさかいは、役所は原則的に対応できないと言われています。


そこで、困った末にOAさんは、まずは下町の住宅設計の実績がある当事務所へ、その対応を含めて相談されました。しかし当事務所としても、このような問題に直面するのははじめてでもありました。

しかしOAさんの真摯さや熱意を感じ、一緒に解決に向けて出来る限りのお手伝いをすることにしました。


下町の住宅は、郊外の住宅地に建つ住宅と異なり、常に近隣との関係で成り立っていますので、近隣との関係を良好に保たなければ成立しません。
そのため、したまち住宅の設計には、周囲の状況を見極める必要があります。

まず建て替え時の解体で、支障になる隣家を正常な状態に直してもらうための方法を、いろいろな角度から検討しました。


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・緑のネットの空き家が、東日本大震災時にこちら側に倒れかかる。


1,まず法律の専門家に相談する

まず私達がアプローチしたのは、弁護士への相談でした。

どう見ても、こちらに倒れかかったままに放置している隣家が悪いのは明白だからです。

ただ初めから、強制的に弁護士に入ってもらうのではなく、法律的な根拠や進め方のアドバイスを受けるに留めました。

今後進展しない場合や、また仮に出会えても良識ある回答が得られない場合は、弁護士に依頼して法的な手段を執ろうとOAさんと打ち合わせました。


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・建築的にも危険な状態な長年放置されている。


2,再度区役所にアプローチ

近年、空き家問題も社会的にクローズアップしてきており、空き家専門の部署もあるので、OAさんの代理人の1級建築士として、対処方法を相談するために区役所にアプローチしました。

OAさんのご家族が、以前に区役所に一度相談に行ったそうですが、担当者から民間同士の問題には間に入れないとの返事でした。

今回は1級建築士として、建築的な危険性を訴えるというスタンスで区役所に相談しました。

その結果、区は部内の建築専門家と調査をしていただき、ある程度の理解を得ることが出来、前向きな姿勢を示していただけることになりました。

以前もこの隣家は別件で問題になったこともあり、区役所は、隣家の所有者の居住地は分かっているので、面会の場をつくる手伝いをしていただけることになりました。

ようやく一歩前に進むことになりました。



3,隣家の代理人と面会

区役所の仲介で、ようやく先方の代理人と面会することが出来ました。

こちらの建て替え時に、隣家が倒れ掛かっている状態は非常に危険であると説明したところ、すぐに解体するが、出来れば土地をこちら側で買い取っていただけないかとの提案がありました。

そもそも何年も放置している状態に呆れていたのですが、こちら側としては、急展開に戸惑いましたが、資金的な検討も必要なので、持ち帰り、家族で検討することになりました。


4,敷地を買い取りまとめる

したまちの敷地は、一般的に間口が狭く、奥行きが長い敷地形状、つまりウナギの寝床の形状が多い。

そのため、建築設計及び、工事施工上、困難が伴うことが多い傾向にあります。

今回のOAさんの当初の敷地は間口は狭く約3.8mなので、設計上難しく、かつ1階の貸し店舗の形状を考え、隣地を買い取ることになりました。
その結果、間口が約6.5メートル確保できたので、貸し店舗としてもゆとりを持つことが出来るようになりました。

ここまでいろいろ大変でしたが、結果all rightとなりました。


20170223_03.jpg
・ハッチの土地が合算されます。

20170223_04.jpg
・2つの住宅が、一つの敷地になります。

以上、思わぬ展開になり、結果的に十分な間口を持つ建築になりました。

そのため、住宅にとっても、店舗にとっても、広い目でみて、まちにとっても良い結果になりホッとしています。

それにしても、したまちの住宅には、いろんなことが起こります。(笑)

これでようやく、建築設計に専念できます。



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