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NO.37_KS-HOUSEができるまで

Vol.01:相談・敷地調査

(2006/暮れ)

2006年暮れ。
両親から、「兄家族との同居のために、実家を2世帯住宅に建替えたい。」といった相談がありました。
築30年近く経った家は老朽化が進んでいて、これを期に2世帯住宅に建替えるという計画です。
この家は、私自身数十年暮らした場所。土地勘はあるし、敷地の特性も大体わかります。
そんな慣れ親しんだ土地に、家族の為の住宅を設計するのはとても幸せなことです。

早速、敷地の調査を行いました。

敷地調査は、諸官庁に問い合わせを行って、法的な条件を整理することだけでなく、実際の敷地を確認して、近隣の状況などから、その敷地の特性を調査します。



■立地
  ・埼玉県春日部市の郊外型の住宅地
  ・敷地面積 180?

■道路
  ・南面に5.6m道路、西面に4m道路が接していている
  ・南面道路と敷地の間には、幅1.3m程度の水路が通っている
  ・西面道路に敷地に接するように電柱が立っている  →防犯対策

■近隣
  ・東側には3階建てのアパートがあり、採光はあまり期待できない
  ・北側の近隣住宅が境界に迫っている →開口部の計画
  ・南面道路の反対側は駐車場だが、将来的にも高層建築が建つ可能性が低いようで、日当たりは良い
  ・線路が近くに通っているため、電車の騒音がある →騒音対策(開口部)

■地盤

  ・中川低地の沖積層で、地耐力は低いと考えられる
  ・旧宅には地盤沈下が見られた
                 →地盤調査の結果次第で、地盤改良の可能性がある

■法的な規制

  ・第一種住居地域
  ・建ペイ率/容積率=60/200
  ・防火指定なし




 
これが敷地調査の概要です。

都心部と違って、法的な規制は少なく、どうにでも出来てしまう敷地では、一歩間違えると建売住宅のようになってしまうことがあるので、デザインは大きなポイントになります。

おそらく私が設計の仕事をしていなければ、メーカーなどに依頼して建替えることになったであろうこの計画。
これまでとは少し違ったアプローチで始まりましたが、設計事務所ならではの「家造り」を楽しんでもらえればなによりです。

-------------------------------------------------------------------------- written by morikawa