オンライン設計室
Vol.02:設計の条件と敷地調査
1,設計の条件
敷地は、施主(30代)の実家であり、現在はご両親(60代)が居住しています。
ここは、施主のお母さんの生まれ育った場所であり、周囲にはご友人が多く住まわれており、近隣との関係は非常に良好です。
この地に、子世帯5人と親世帯2人の合計7人の2世帯住宅を計画するものです。
以前設計したNO.22_KI-HOUSEも、大世帯の住宅でした。
計画当初、11人が住む、3世帯住宅でした。
核家族の住宅と異なり、条件が複雑になるので、設計は大変ですが、それゆえの楽しさ、充実感があるものです。
今回の計画も、これに近い設計条件です。
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2,敷地条件
2008/9にはじめて現地調査を行いました。
敷地は、都心の私鉄駅から徒歩5分の近隣商業地域です。
賑わいのある商店街のはずれで、まわりでは飲食店や物品販売店も営業しています。
■道路関係
・前面道路は、7.3m幅と、幅が広い。
・道の反対側の建物は2階建てなので、見晴らし、日照条件などは良い。
・道路斜線をクリアーすることがポイント。(緩和規定=天空率採用)
■隣接建物
・道路から見て右隣は、3階建て。
・道路から見て左隣は、将来建て替え時に、斜線制限のため多少後退すると思われる。
・裏の住宅は、斜線制限の関係で、将来とも2階建ての可能性が高い。
・高度斜線をクリアーすることがポイント。
■地盤(別添近隣データー参照)
・地質調査の結果次第では、地盤改良などの必要がある。
■法的な規制など(一般)
・ 近隣商業地域・準防火地域
・準耐火建築物が要求されます。
・ 建坪率80% 容積率300%
・ 有効採光(建築基準法施行令20条)
・居室は、必要な有効採光が確保できる窓(前面に空きがある窓)が必要です。
・この敷地では、これが建築基準法上のポイントとなります。
・ 防火区画(建築基準法施行令112-9条)
・縦穴区画(200m2以下、3階建て以下の住宅は除外される。)
・この法律が、今回一番影響があります。
■高さの規制に関するSTUDY
・ 高度斜線 =第3種高度高度地区
・10m + 1.5L(真北方向)
・ 日影規制 =規制対象
・10メートル以上なので、規制対象
・道路斜線
・道路の反対側から、1 : 1.5の比率で規制される斜線制限です。(原則)
ただし、今回は天空率という緩和規定を使います。
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- Vol:01:計画の問い合わせから
- Vol.02:設計の条件と敷地調査
- Vol.03:基本構想の提案
- Vol.04:真北測量を行う
- Vol.05:施主の希望を整理し、計画する
- Vol.06:解体工事から地質調査
- Vol.07:杭工事
- Vol.08:基礎工事
- Vol.09:製品検査
- Vol.10:建て方工事
- Vol.11:上棟と鉄骨検査
- Vol.12:サッシと外壁工事
- Vol.13:耐火被覆&内装下地工事
- Vol.14:セルロースファイバー吹込
- Vol.15:内装下地工事
- Vol.16:足場が外れた
- Vol.17:オープンハウスのお知らせ
- Vol.18:塗装工事
- Vol.19:最終仕上げ工事
- Vol.20:とりあえずの完成