オンライン設計室
Vol.01:耐震診断
(2007/11)
耐震診断(2007/11)
今回のプロジェクトは、昭和54年竣工の築30年経過した、住宅金融公庫仕様の木造住宅です。
図面も残っていたので、耐震診断を行うにあたっての条件としては恵まれていました。
ただし、図面と実際の住宅には、少し異なった部分もあったので、再確認しながらの作業となりました。
この地域は、田んぼを造成してつくられた住宅地なので、周囲の住宅では、不動沈下が見られるのですが、約30年前として珍しく、コンクリート杭が打たれており、かつ基礎が鉄筋コンクリート造なので、基礎には異常が見られませんでした。
ただし、現在の基準に対して東西方向の壁量が足りないことが、図面と現場を見て気がつきました。
建築基準法は、2000年に大きな法律改正を行い、基準が厳しくなったので、現在の基準に合わない住宅が非常に多いのが現状です。
しかし幸い、基本的に木造住宅としては、設計がしっかりしており、耐震診断の結果評価点は1.03と、ギリギリですが、現在の耐震基準をクリアーしていました。
当初の矩計図
そこで、今回は、もう少し基準値を上げるために、耐震壁を増やすこと、耐震補強用の内装材を使うこと、そして接合部の強度を上げることなどをテーマにプロジェクトは進められました。、
補強壁を増やすことで安全性を高めています。
ただし、後述しますが、数字には表れないが、実効性のある補強工事(外部耐震補強行為)も行っています。