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NO.27_TD-HOUSEができるまで

Vol.08:ようやく着工へ

(2008/02/07)

ようやく確認申請がおりました。(2008/02/07)


昨年9月(2007/09)の末に提出した、TD-HOUSEの確認申請が、昨日(2008/02/06)ピアチェック機関を経由して、ようやくおりました。以前ならこの住宅レベルでは1ヶ月程度で下りていたものですが、今回は申請から認可まで4.5ヶ月かかりました。
実際には、申請受付に至るまでの段取りが以前と全く異なる流れになるので、実質的には6ヶ月掛かりました。

この住宅では、昨年6月に施行された建築基準法が適用された時期と、符合してしまいましたので、GDPを下げてしまったといわれる社会現象に巻き込まれたかたちです。

新聞やテレビでも取り上げられていましたが、不透明な建築基準法の改正は、建築の流れを大混乱に落としいれています。

模型/2世帯住宅/間口が狭い/RC壁式構造/建て替え/外断熱/TD-HOUSE

模型/2世帯住宅/間口が狭い/RC壁式構造/建て替え/外断熱/TD-HOUSE


今回の件を通して、現場にたつ設計者として実感したことはいろいろありますが、実感するのは以下のことです。

■法改正は、建て主(国民)に支持されていない。
少なくとも建て主(=TDさん)にとって、メリットはほとんどなかったと思います。
構造偽造事件が起きたような利益優先の分譲マンションでは、手抜き設計や工事が起こりやすい環境にあるので、チェックを厳しくする意味はあるかもしれませんが、戸建て住宅まで、法の厳格化を適用しても意味がないと感じます。
法の提要に対する網の目の掛け方などで、もっと議論すべきことは多いと思います。

■ものつくりの現場が退廃する。
日経アーキテクチャーの記事の中で、今回の法改正の責任者の国土交通省の役人の談話にある『設計図以上のものは出来ない』という言葉が、方向性を示しています。

建築をつくるには、大きくは設計と工事に分かれます。
企画を立て、工事が可能になるような図面を引く作業が設計であり、これはデスクワークです。今回の法改正は、このデスクワークの部分を、やたらにチェックを厳しくして厳密化するものです。
工事段階については、ほとんど触れておらず、ともかく機械的に厳密に設計図通り施行しろという考え方が基本になっています。その意味するところは、法律をつくった人が、ものつくりの経験がないということ。
現場とは言ってもいろいろなレベルがあると思いますが、姉歯事件を起こしたような無責任な現場を念頭につくられた法律です。

現場には、有能な職人の知恵や工夫があり、それを活かすことが、建築のレベルを向上させるという道を、閉ざすような法律改正です。

模型/2世帯住宅/間口が狭い/RC壁式構造/建て替え/外断熱/TD-HOUSE
ものつくりの現場は、試行錯誤の連続


■行政改革に逆行する。
行財政改革、各省庁の不祥事など、行政改革を進めなければならない時期に、今回の法改正を口実に、国の機関を手厚く大きくしているという現実は、とても残念に感じます。
構造偽造事件は、確認申請の民間機関への開放が、原因であるかのような対応はおかしいと思えます。


不満はいろいろありますが、とりあえず感じたことは以上です。


 


工事契約と地鎮祭(2008/02)
 


確認申請が下りる時期を見据えて、工事契約と地鎮祭を行いました。
結果的に、地鎮祭は確認申請が下りた日と重なりました。
雪の降りしきる中地鎮祭が行われ、いよいよ着工の準備が調いました。
なお、今回の工事は、NO.5_ON-HOUSEなどをお願いした建匠にお願いすることになりました。

契約/2世帯住宅/間口が狭い/RC壁式構造/建て替え/外断熱/TD-HOUSE
・契約は、2世帯の連名で。


地鎮祭/2世帯住宅/間口が狭い/RC壁式構造/建て替え/外断熱/TD-HOUSE
・小雪の舞う中で地鎮祭が執り行われた。

いよいよ着工です