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2014年3月31日

コンバージョン+リノベの面白さ(BT-HOUSE)

オンライン設計室NO.46_BT-HOUSEは、森川君の自宅です。

だから、私(大戸)は、この設計には全く関知していません。
ですので少し客観的に、このプロジェクトについて述べてみます。

遡ること、約1年半ほど前に、突然、森川君から家を買いましたと言われ、ビックリしました。

話しを良く聞くと、中古の”テナントビル”を買ったとのこと。

不動産業でもはじめるのかと思いましたが、良く聞くと、3階建ての鉄骨造の小さなビルで、もとは飲み屋のスナックが入っていたとのことでした。

これは私達の事務所が、いつも手がけている住宅スケールの鉄骨構造です。

敷地は、埼玉県草加市のどこにでもあるような郊外の一角で、近くに幹線道路や工場があります。

グーグルのストリートビュー(2010年3月撮影)をのぞいてみると、まだ1階がスナックで、2,3階が【健康】と書かれた、少し怪しげなテナントが入っています。

要するに、郊外のどこにでもあるようなテナントビルだということが分かります。


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・郊外のどこにでもある場所。

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・売却前の様子(左のビル)。周囲に同じようなビルがあります。(ストリートビューより 2010/03)

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・1階は、スナック【蘭】、上階の【健康】とは何(笑)?  (ストリートビューより 2010/03)




森川君によると、売却時には、外見上はもう少し美装化されて、すっきりしていたとのことですが、このビルが、コンバージョンされて、こんな素敵な住宅に変身するとは、普通の方が見ると、大きな驚きだと思います。

要するに、ある中古物件を見て、どんな変身が可能という先を見る目がないと、こういった魅力的なデザインで劇的に変身させることは、不可能です。

この劇的変身を見据える視線こそ、建築家であることの証であり、今後必要とされる能力だと思います。

またこの場合単なる見かけだけでなくビルの耐震性や省エネ性などを考えるにも、建築技術が必要になります。

このビルの売却金額を聞くと、驚くほど安い金額なので、本当にお買い得だと思います。
これをベースに、今回のリノベのデザインの工事を加えても、新築住宅を購入するより、全然安く済んでいます。

私が今回非常に面白いと思う部分は、スナックが入っていたビルが、住宅にコンバートされ、大変身したことであり(コンバージョン)、中古ビルというがらんどの箱を快適な住宅にデザインさせてこと(リノベ)です。


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・変身後のすがた。1階は奥様のための花屋さん。上階は住宅です。

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・変身後の住宅インテリア。


今回、この住宅が、雑誌「住まいの設計」企画のRenovationデザインコンテストで、準グランプリを受賞しましたが、この大変身が受賞のポイントだと思います。

なお完成した住宅のデザインの良さは、じっくりインテリの写真を見ていただければ、納得できると思います。

 

投稿者 ooto : 2014年3月31日 10:17