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2013年10月 5日

蔵の骨組み

古い蔵は、東京の郊外の農家でも見かけますが、蔵の解体を目にすることは、これまでありませんでした。

たまたま、目にした雑誌「民家」の表紙に、蔵の解体現場の写真が掲載されていました。

解体が始まり、分厚い、外壁の土壁を、総出で剥がし落としている現場写真です。

蔵の構造体を見る機会は滅多にないので、とても新鮮に見えました。

そもそも蔵は外観としては、大壁なので、本体が木材の柱梁貫で構成されているというあたり前のことを、つい忘れがちです。

この写真を見ると、3尺ピッチの柱と貫は、野太く、質実剛健で、美しい格子を形成しています。

この柱と貫には、壁としてぶ厚い土壁が塗られていました。

土壁により耐火性を高めていたのが第一の理由だと思いますが、土が落ちた直後の柱や貫の木材は、年季の入った褐色をしていて、素晴らしく美しく見えます。

壁が土壁という自然材料であるにしても、木材の耐久性はかなりのものがあるようですね。

最近木造耐火建築物を設計しましたが、この蔵の解体写真を見ていたら、昔から耐火性能を高めた木造建築が、日本にはあったのだと再認識した次第です。

 
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投稿者 ooto : 2013年10月 5日 12:00