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2013年9月30日
4,5階建て住宅専用の展示場
墨田区本所吾妻橋に、4,5階建て専用の住宅展示場があると聞き、先日訪問してみました。
浅草駅から、隅田川を渡って5分ほど歩くとスカイツリーが近く見える場所に、この展示場があります。
墨田区や台東区などの下町は、商業地域の場合が多く、個人住宅用の敷地は平均して、15坪前後の狭小地が多いのが現状です。
従って、必然的に4,5階建ての建築が多くなりますので、こういった展示場が出来たことは理解できます。
また出展している5社の大手ハウスメーカーの展示場は、専用住宅と言うより、貸室やテナントを想定した併用住宅の構えになっています。
内容的には、各メーカーの展示棟の敷地の大きさが、なんと40坪近くもあり、個人住宅としては大き過ぎるので、参考になるような建築的な工夫などはほとんど見られませんでした。
近く改正される相続税対策というのが、一番のモチベーションになっているようですが、私自身はそれだけではない、居住者の都心回帰の機運が背景にあると感じています。
郊外の一戸建てより、都心の下町で、皆で住むという気持ちが高まってきているような気がします。
私たちの事務所でも下町地区に、多くの住宅を設計してきていますが、15坪前後の敷地の中で、何が出来るかをいつも考えながら悪戦苦闘して計画しています。
それに比べ、この展示場に出展している各メーカーは、大きな中庭風ベランダや、天井高さを強調する巨大なリビングルームなど、来客者の目を引くような仕掛けを、強調していましたので、実際の住宅との落差を感じますが、それが住宅展示場なる所以なのでしょうか。
残念ですが、設計者から見て、この展示場からは、下町住宅に適した、建築的な知恵や工夫はまったく感じることは出来ませんでした。
ただ現実問題として、この地域の住民が、建て替えたいと思ったときに何からはじめれば良いかというと、こういった展示場に足を運ばざるを得ないのでしょう。
そういった意味では、4,5階建ての下町住宅という世界は、まだまだ玉石混淆なのだと実感しました。
投稿者 ooto : 2013年9月30日 15:45 ツイート