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2013年5月16日

ふたりのイームズ

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チャールズ・イームズとレイ・イームズのドキュメンタリー映画です。

おしゃれ夫婦の愛の映画とは違います。
イームズに関わった人たちが当時を振り返ってインタビューに答えたり、映像をまとめたりしているのですが、後半にはまさかの愛人登場。それに対して複雑な感情を抱くレイが描かれたりもしています。
また、高い評価を受けることでズレはじめる夫婦の考えなど、これまで勝手に想像していたイメージとはだいぶ異なる、ある意味では人間らしい部分も描かれたものでした。
 
私はイームズのデザインが好きで、何度か展覧会に脚を運んでいるのですが、このような部分に触れたのははじめてでした。
勝手に仲の良いおしゃれ夫婦と思っていたんですが、いろいろあるものです。
 
もちろん、デザインについてもしっかりと触れています。
建築やプロダクトデザインだけでなく、映画などの作品を手がけていたのは有名な話ですが、コンピュータへの恐怖をやわらげるための宣伝映像や、冷戦時にプロパガンダ映画まで作っていたのには驚きです。
それらにはすべてイームズのデザインがありました。
 
「おしゃれ」とか「デザイン」というとファッションが一番に取り上げられそうですが、それはそのほんの一部でしかないわけで、映画・音楽・本の好み、住まい方、その先にはそれらを結びつける根っこがあるはずです。
流行に流されすぎず、表層的にならず、根っこをしっかり持つ。
 
「すべてが結びつく」
 
とても印象に残った言葉でした。(森川)

 

投稿者 morikawa : 2013年5月16日 10:25