住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

下町に狭小敷地建つ鉄骨4階建て住宅に住んでからの様子です。5人家族が暮らす住まいです。
-Vol.4-
狭小地の鉄骨4階建て住宅
- SB-house -
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6.エレベーターと屋上

 ホームエレベーターについては、VOL.1の<3世帯・大家族の家>でも取り上げましたが、コストが200万円程度に落ち着いてきた上、省スペース化の工夫などは日進月歩で安全性も高まっているようです。
 従来義務付けられていた定期点検の規定が緩和されたため、ランニングコストの負担もかなり楽になったとか。

 SB邸では、SBさんがエレベーターのない実家のビルで祖父を介護した経験から、エレベーターは入れておきたかったといいます。大戸さんの関わる設計では、すでに採用率50%といい、もはや特別の設備とは言えないのかもしれません。
 高層化するときには、建物価値を高める意味でも積極的に導入を検討するとよいのでしょう。

 高層化ということで、今回意外だったのが屋上についてです。
 SBさんは「わりとよく出ますよ、素振りしたりするんです」と屋上のありがたみを語ってくれました。

 SB邸の屋上は、道路側の屋根を一部持ち上げて(ここでリビングの天井高が高くなっているわけです)、囲われたようになっています。
  開放感はそれほど大きくありませんが、そもそも隣には高いビルが建っているし、道路の向かいにも高い建物がいくつもあって、4階の屋上自体が回りから突出して高いわけではないので、もともと開放感はあまり期待できません。むしろ囲われることで、プライベートな空間になっているように感じました。

意外といったのは単に私の不勉強なのですが、屋上をつくるつくらないで建設費が100万円単位で変わる、ということ。屋上に人が出られるようにするには、躯体の強度から検討しなければならず、大幅なコストアップになるのだそうです。SB邸では、それでも「欲しい」というたっての希望で屋上が実現されました。

 

 

 狭小地の建物では、建築家の工夫が開放感を高めてくれますが、広さの限界があるのはやむをえないところ。思い切り背伸びができる屋上が欲しいと思うのも当然かもしれません。ただし、その場合にはお金のことも忘れずに頭に入れておく必要があるようですね。 (文:市川隆)

SB-HOUSEの出来上がるプロセスは、
<建築計画網・大系舎 HP><オンライン設計室><No.22 SBさんの場合>
を参照ください。  

 

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