住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

横浜郊外の、住宅地に建つ木造2階建て住宅です。土地探しからはじめました。
-Vol.6-
シンプルな家
- KN-house -
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4. 2階LDKの暮らし

 

   「みんなが集まるリビングを明るい場所にしたかった」(ご主人)というKN邸は、2階LDKのプラン。2階LDKは建築家が関わる家では珍しくありませんが、建売住宅に代表される「一般的な」プランと比較すると、まだまだ認知されているとはいえません。 KN夫妻も、プランを提示されたときには不安があったそうです。でも、大戸邸を見せてもらって「大丈夫だ」と安心できたといいます。

 建築家の自邸は一種のモデルルーム。有効に使ってますね、大戸さん。 それはともかく。設計者から見て、2階LDKプランで心配なことは大きく2つあるそうです。
 1点は1階の寒さ。温かい空気は上に行くので、1階に生活空間があると自然にその暖気が2階も温めてくれますが、2階LDKではそれは無理。
 2点目が、2階で日常生活をおくるため、外部、つまり庭や道路、近隣や町との距離が遠くなってしまうこと。バルコニー以外の外に出るのに、階段を下りていく動線の長さを考えれば、確かに少し億劫です。
 KN邸では、1階の寒さは「特に気にならない」そう。忍者が床下に潜んだような昔の家と違って、現代の住宅は床下の断熱もきっちりしているので、底冷えのような寒さはないのでしょう(もちろんつくり方によりますが)。
 次に外との距離については、「1階に生活空間があることを思うと、確かに外に出るのに、ちょっと遠い感じはします。でもその分、空が近いし明るい」とのこと。寝るとき以外の生活が2階のワンルームで完結しているKN邸では、食事や出かける準備が終わった子供から、「下で遊んでなさい」と順番に向かわせるそうで、それも「メリハリ」と捉えているようです。

 2階に、洗面所とお風呂までコンパクトに詰め込まれたKN邸では、子供たちが小さいこともあって、1階がまだまだ「余裕」のスペース。「私」の生活から、「公」の町へ向かう途中にある、ちょうどいい緩衝ゾーンになっているようでした。

KN-HOUSEの出来上がるプロセスは、
<建築計画網・大系舎 HP><オンライン設計室><"シンプルな住宅"No.25 KN-house>
を参照ください。  

 

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