住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

横浜郊外の、住宅地に建つ木造2階建て住宅です。土地探しからはじめました。
-Vol.6-
シンプルな家
- KN-house -
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2.家族としての住まい方

 「最初は、僕の両親と一緒に住もうと思って、実家の建替えを提案したんです。でも『若い人は若い人でやりなさい』って突き放されちゃって(笑)」というのはご主人。

 ご夫妻ともに、両親、祖父母と大人数の家族のなかで育ったそうで、「みんなで一緒に過ごす」感覚が当たり前のこととして根付いているようです。 だから新居についても、「リビングを大きくとってもらったので、みんなここに集まってきてわさわさといることが多いんですけど、僕はそれがいいなぁと思っています」と気負うことなく話してくれました。

 大勢でひとつ屋根の下で暮らすことは、みんなでわいわいにぎやかに暮らすこと、です。誰の部屋がほしいとか、個人のプライバシーとか言う前に、まず一緒に過ごす楽しさ、にぎやかさ、安心感を満喫する。それが家族であり、家族が暮らす家。KNさん夫妻の考え方はとても真っ当に聞こえます。
  が、一方で新鮮にも聞こえるのは、最近そんな話をあまり聞かないからでしょう。書斎や趣味室など、一人になれる専用のスペースは「うらやましい」「贅沢な」場所として紹介されますが、そのそも「家を建てる」目的自体が、「わさわさからの解放」だったりもするのです。

 

 家を建てて、「前より狭くなった」ということはほぼないですから、広くなった分だけ個人の領域をどこかにつくりたいと考えるのは仕方のないことかもしれません。 ただ、特に子供が小さなうちは、どうしても「わさわさ暮らす」ことになります。
 大切なのは、それを「わずらわしい」ではなく「楽しい」暮らしとして、ポジティブに捉えることではないでしょうか。もちろん、忙しいしうるさいし集中できないし、腹が立つこともあるでしょう。でも、それも含めて家族が一緒に暮らすことなのだと、2階の大きなワンルームでKNさん夫妻に教えられたような気がしました。

KN-HOUSEの出来上がるプロセスは、
<建築計画網・大系舎 HP><オンライン設計室><"シンプルな住宅"No.25 KN-house>
を参照ください。  

 

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