住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

下町・台東区の木造2階建て住宅です。下町住宅の要素をいろいろとりいれた住宅です。
Vol.11
土間のある下町住宅
- AS-HOUSE -
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1,下町の暮らしとは

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「下町」というと、皆さんはどんなイメージをもたれるでしょうか。

郊外の新興住宅地で育った私には、下町といわれても今一つピンときません。
思い浮かべるのは「男はつらいよ」の寅さんシリーズくらい。

濃密な近隣関係と義理人情。
あるいは熱すぎるほどの祭りの盛り上がり。
食事時でも平気で隣人が上がり込んでくるようなコミュニティを、なんとなく考えていたのですが、AS-houseでお話をうかがうとかなり違うようです。


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as_1010.jpg当たり前のことですが、ご近所さんが家のなかまで無遠慮に入り込むようなことは、いくら下町とはいえありません。
祭りに思い入れがあるのは、下町に限ったことではないでしょう。


どうも「下町のイメージ」は、下町を知らない人たちが、古き良きコミュニティに憧れて、勝手につくりあげたもののようにも思えます。


ただ、そんななかでも、ちょっと違うなと思えたのは、「外」に対する意識です。

家を建てるとき、人はどうしても内部の間取りを一番気にします。
しかし狭小敷地の計画では、伸びやかで心地いいリビングを求めても限度があります。

そのため、住まう人の気持ちも、自然と外へ、つまり町に向かっていくのではないでしょうか。



AS-houseでうかがった話でも、土間の使い方、リビングの窓から見える向かいのビルの看板や壁面に反射する光、あるいはトップライトから見える月明かりなど、外のお話がとても多かったことがそれを示しているようです。



日常生活のなかで自然に外に目が向いているからこそ、ご近所の変化にも敏感になるし、付き合いも深くなる。下町の暮らしとは、町を大きなリビングにした共同生活なのかもしれません。


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