インターネットを活用した
新しい住宅設計手法
■このプロジェクトは、インターネットという自前のメディアを使って、設計から工事完成までの”住宅をつくるという行為”に、ある種の一体性や関係性を作り出す試みでした。住宅とは、完成した空間だけを意味するものではなく、つくるプロセスを含む、総体的なものだと考えています。その意味で、建築家にとって住宅設計における重要な役割は、空間をデザインすることに加え、”つくるプロセスもデザインする”ことも含まれと考えています。
■建築家が、”つくるプロセス”を主導して形作れば、建築家と施主と工務店(職人)が全く新しい関係性を築きながら、プロジェクトを進めることが可能だと考えています。
また、意識的にこの手法を使えば、近年分散化・孤立化している”住宅をつくるプロセスに”、一体感、充実感を取り戻すことが可能であると考えています。その意味で、建築家にとって自前のメディアであるインターネットは、つくるプロセスを形作るための重要なコミュニケーション・ツールだと痛感しています。
○インターネット活用の概要を示したイラスト図(PDF)
○TN−HOUSEの写真(PDF)
■TNさんは、30代前半の横浜在住の共働きの夫婦です。お仕事柄、インターネットを常に使われており、今回のようなデジタル利用に関しては、特に問題なかった。
途中奥さんが、出産で愛知に里帰りしたが、インターネットを活用したおかげで、家づくりに参加しつづけることができた。
設計の時点では、模型とあわせてムービーによるシュミレーションも実験的に行った。
なお、ムービーの作成には、大阪のNRMの協力を得た。

■設計から工事期間中に使われる、コミュニケーション・ツールの比重は、ほぼ上図のようになった。
E-mailは、主に設計期間中に使われた。横浜、東京、そして共働きのご夫婦との打ち合わせは、E-mailが重宝する。しかし、E-mailで伝えられることには限度がある。基本は、face-to-faceですね。電話やファックスを上手く織り交ぜて使うことがコツだと思う。無理にメールに、自分にあったメディアを使いこなすなど柔軟な対応が必要だ。

■工事期間中の情報共有ツールはBBSとWEB-SITEを使った。
BBSは、設計者と施主と工務店の非公開の情報共有ツールとして使った。
BBSと似ている仕組みで、メーリングリストを使ったことがあるが、ユーザが気軽に使え無かったり、簡単に全体像が見えないなど多少使い勝手が悪いと感じている。

■WEB-SITEへの公開は、施主の了承を得てから行われる。この情報は、施主の家族や友人はもとより、職人や職人の家族なども見て欲しいと願っている。現場が見られることを意識し、見る人が楽しく有益な情報を得ることが出来れば、家づくりの現場にはもっと活気が出てくると思う。

■情報の広がりを、イラストにすると次の図のようになりる。
プライバシー度の高いものから、E−MAIL>BBS>WEB−SITEとなる。
各々のメディアの特性や効果を考えながら、各プロジェクトで使い分けていくのが良いと思う。
情報の広がりが、家づくりに関わる人々に、共同してものをつくる楽しさを感じさせてくれるよう考えながら、プロセスをデザインするべきだと思う。

TN-HOUSEの詳しいレポートは、オンライン設計室no.10のTN−houseをご覧下さい。
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