10,現場の公開(その1)

インターネットというメディアの特徴は、表現しようとする主体が、いつでも、自由に、気軽に、ウエッブ上に表現できることです。
私は、その特徴を利用して、クライアントの了解を得るなど、プロジェクトの条件が整えば、現場を、ホームページ上で公開するように心がけています。


住宅の世界でも、現代社会は工業化社会であり、"もの"を作る場所が、いわゆる現場=個別の建設地から、工場へと、移行されてきています。

その最たる仕組みが、工業化住宅であり、いわゆるハウスメーカー=プレハブ住宅です。ですから、工業化住宅の出来るプロセスは、工場の中であり、クライアントにとっては、ブラックボックスとなってしまうのです。こういった住宅の特徴は、要は出来たもので評価する傾向にあり、また結果=性能だけで善し悪しを決めている傾向にあると感じています。つまり、どのように作られるか(合理的、歩留まりが良いなど)は、生産者側の問題であり、クライアントにとっては、一切見ることの無い世界になってしまっているようです。

性能のグレードが上がることは、時代の要請であり、歓迎すべきことだと思います。しかし一方で、結果=性能だけで住まいの評価の全てが決まってしまうという風潮は、偏った考え方であると思います。つまり、私は"もの"を作るプロセスも、結果と同様に重要なことだと考えています

"もの"を作るという原点に戻って考えると、完成するまでのプロセスに、クライアントも一緒に参加することが、大切だと思っています。


一緒に作るプロセスに参加すれば、できあがったものに対する、愛着もより一層強いものになると思います。ただし、プロセスとは、普通の意味の、できあがるまでの工程のことです。注意すべきことは、クライアントが完璧なものを作るとか、自分の希望を全て満足させるという意味ではないことです。


同じことを、料理に例えれば、分かり易いかもしれません。料理を作るプロセスに、一緒に参加すれば、味もおいしく感じると思います。ただし、忙しい人、高級料理を好む方などは、出来たものだけが重要であり、プロセスはあまり重要ではないかもしれませんが。

ただし、クライアントが、一緒に、家づくりに参加するということは、いろいろな方法があります。何も一緒に金槌をもって、大工仕事をするという意味だけではありません。
大切なことは、設計や工事を人任せにせずに、常に、つくられている"もの"へ視線を向けていることだと思っています。

ホームページに、家づくりのプロセスを掲載することで、一般の方に、プロセスの大切さを再認識していただけるようになってきたと感じています。
自分の家が、どうやって、どんな職人さんがつくってくれたのかということを知ることはとても有意義であると感じています。

次に、ホームページ上で現場を公開したことで、起こった様々なエピソードを書いて見ようと思います。(00/08/28)


(注)当HPの、オンライン設計室を参照して下さい。

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