25,リムーバブルHD




私は、自宅と仕事場を、電車で約1時間ほどの距離を通勤している。

日常の仕事内容は、通常の設計事務所の作業のように、CADで図面を書いたり、原稿を書いたり、デジカメ画像を整理したり、HPを作成したりと、PCと付き合うことが非常に多い。そしてその作業結果のほとんどは、デジタルデーターとして自分のPCのハードディスクに保存されていることが多い。

一方私の勤務スタイルは、週の何日かは現場監理に出掛けるので、現場の場所によっては、事務所よりも、自宅で作業するほうが効率が良い場合も多い。
それに加え、自営業の自由さ、気軽さで、自宅と仕事場どちらで作業しても、良いという環境が出来れば、理想的であると考えている。


そういう意味で、現在は自宅と仕事場で同じPC環境を構築して、どちらで作業しても同じ仕事が可能であるような仕事環境づくりを目指している。

近年は、携帯電話や電子メールなどのコミュニケーション・ツールが発達し、そんな自由気ままな仕事環境でも、実際の作業の進行には、全く問題ない環境が整いつつある。

以前には同じPC環境を構築するために、ノートパソコンを自宅と事務所の間で持ち歩いていたが、いくら軽くなったとは言え、次第にその重量に耐えかねるようになり、モバイルと言われるような利用形態に疑問を持ち始めるようになっていた。

一方、近年のPCの性能向上や、周辺ツールの充実化は、全く違った視点から、前記のような仕事環境を築くことが可能になってきた。

そのための必要アイテムが、USB2.0仕様のリムーバルHDである。
現在、使用しているものは、アイ・オー・データー機器のHDP-U40Pという機種で、購入価格は2万円強であった。記憶領域は、約40GBもあるが、大きさは煙草2箱程度で、重さは約180gといった軽さである。このリムーバルディスクを、ソフトケースに収納して鞄に入れて常に持ち歩いている。

このツールが便利な面は、ドライバのインストール不要なことであり、PCにUSBのポートがあれば、コネクターを差し込むだけですぐ認識できることである。

私が普段持ち歩くデーターは、プロジェクト、図面、書類、画像などを含めたものであり、約15GB程度の容量である。1日の作業終了後に、このデーターを同期ソフトを使って、リムーバルHDへ保存し、最新の状態を保っている。そして移動先の事務所か自宅で同期ソフトを使って、作業前に常に更新して、最新のデーターを事務所と自宅で維持している。




ところで同期ソフトには、いろいろあるようだが、私はFILE VISOR5というファイル管理ツールの一部にある同期機能を使っている。WINDOWS XPにもシンプルな同期機能が付いているが、細かな設定が出来ない。

このFILE VISOR5の同期機能では、

1,同期をとる対象のファイルにフィルタをかけて、特定のファイルを処理対象からはずす、または処理対象を限定する。
2,更新されるファイルのバックアップを作成する。
3,更新対象のファイルを、名前を変えて残しながら、新しいファイルで同期をとる。
4,同期のとれないファイルを削除して、双方のフォルダ内容を完全に一致させる。(ミラー機能)
5,処理結果をレポートする 。
などの細かな機能がついている。(FILE VISOR5ヘルプより抜粋)


データ管理のコツは、データー保存用フォルダーに設け、その中へ各プロジェクトのデーターを、自分で管理して保存することにある。例えば、DATAというフォルダーを設け、その下に全てデーターを保存することである。そのDATAフォルダー同士を同期させることでシンプルに作業が出来る。

注意すべき点は、WINDOWSや特定のソフトが、デフォルトで勝手に設定するフォルダーに保存することで、データーを分散化させないことである。また、同期ソフトの機械的な作業を一方的に信用しないで、常に意識的になることで、不用意な削除を避けられると思う。幸い、FILE VISOR5には、処理結果がレポートされるので、これを見て常に同期した内容を自分の目で確認することを怠らないようしている。

さて同期には、多少時間が掛かるが、同時に他の作業をしていれば良いので、それほど不便は感じない。ちなみに、現在は、どちらのPCも高速のUSB2.0の仕様であり、15GBのデーターを同期させるには、3分ほどの時間で済む。ただし古い仕様であるUSB1.0/1.1のコネクターであればもう少し時間が掛かるかもしれない。

最後に、非常に大切なことであるが、以上のようにリムーバルHDでデーターを持ち歩くことは、バックアップデータにもなることである。ウィルスやハードディスクのクラッシュなどに見舞われて、データーを紛失することは非常に恐ろしいものである。

このポータブルリムーバルHDというツールを、利用してから約1年近く経つが、おかげで作業場所にとらわれない、快適な生活スタイルが可能になったと感じている。


(03/12/19)建築知識2003/12月号掲載

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