2・コミュニケーションとしての家づくり

それでは、コミュニケーションとしての家づくりとは、実際どう言ったことを意味するのでしょうか?
住宅とは、普通は雑誌に掲載される完成写真、TVなどの住宅訪問番組、コマーシャルなどで、唯一表現されるものと思われています。また、住宅展示場というコマーシャルな空間が住宅の姿として考えられています。
しかしここでは全く視点を変えて、主に家づくりを、プロセス(取り組む過程)という視点から、見直したり、表現することを考えています。そして家づくりのプロセスとは、まさにコミュニケーションの過程でもあるのです
さて、コミュニケーションとしての家づくりを具体的に言いますと、クライアントと建築家、そして現場を担当する工務店=職人たちが、家づくりの情報を交換したり、共有したりすることを意味します。特にここでは、インターネットの電子メールやブラウザ・ソフトを十分活用して、お互いに情報交換したり、情報の共有を行ったりすることを意味します。クライアントの立場では、建築家に、自分の希望や疑問点を相談したりしながら家づくりを進める事を意味します。
このように、家づくりを関係者で、一体感を持って進めることことは、良いものを作るための基本的で普遍的な原理ですが、工業化が進んだ現代では非常に難しいことになっています。その理由は、家は商品として完成しているものを買うという意識が強くなったからだと考えています。こういった主にハウスメーカーによってつくられる住宅を『商品化住宅』と呼んでいます。つまり商品化とは、住まいは私たちと全く切り離された工場の中でほとんど完成させて、現場では組み立てるだけという、まさに工業化社会が作り出した家づくりの方法なのです。つまり、現代人にとって、家が作られるプロセスは、ほとんど目に入らない、つまりブラックボックスになってしまったのです。
しかし、私は住宅を、『買う』ではなく、『作る』という意識で取り組むことが非常に重要だと考えています。ハウスメーカーによる家づくりか、建築家による家づくりかという選択肢の大きな違いは、家を商品と考えて買うという意識か、それとも建築家とともに一緒に作り上げて行くかという点にあると考えています。家づくりのプロセスを大切にして、一緒に作り上げ、そして楽しんだり、苦労しながら、関係者が一丸となって家づくりを行うことは、とても意義がある一つの考え方であると思います。
設計から工事完成までのプロセスに、インターネットを十分活用して、建築家と協同して、設計から工事までの家づくりを行うこと=インターネットワーキングは、自分らしい=クライアントらしい家づくりを行える新しい方法であると確信しています。そして、私自身は、オンライン設計室の中で、そのための様々な設計方法を試行錯誤しています。(2000/01/06)
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