13、インターネット時代の建築家

さて、インターネット時代に生きていくための建築家像とは、どういったものでしょうか。私は、次の3つの点がこれまでにはない大きな変化ではないかと考えています。
1,自己表現ができる建築家。
一般的に、建築家は、自己表現が下手だと思います。建築家にとって、インターネットの出現以前は、雑誌やTVなどのマスメディアによって、表現することが理想像でした。つまり、オーソライズされた専門誌や、発行部数の多い一般紙の力を借りて、自己表現することが、正道とされてきました。
しかし、インターネットというメディアの大きな特徴は、自前のメディアであり、建築家自らが、自由に自己を表現できることです。
マスメディアの特徴は、編集者の強い意志によるフィルターが入っていることです。これは、ある種の客観性ができるという特徴があります。しかし、建築家としては、そのメディアの土俵にのってしか表現できない不自由さも感じます。
一方インターネットというメディアの特徴は、建築家自ら、自由に表現できるということです。つまり建築家各人の個性的な表現が可能ですが、反面客観性については基準がないので、情報のリアリティーについては見る人の判断力を必要とします。
実際には、これからは両者のメディアをバランス良く、使って、幅広く自己表現をできる建築家が、インターネット時代の建築家として相応しいと思います。
2,クライアントとのフラットな関係
インターネットという情報ネットワークは、建築家とクライアントの関係をフラットなものにします。つまり、以前のようなクライアントから先生と言われた一段上の専門家の立場から、対等な人間としての専門家という立場に変化してきています。
つまり、情報を持っていることで存在価値があった専門家の能力ではなく、フラットな人間関係の中で、家づくりを先導する能力が必要とされていると思います。このように今までにないリーダーシップが建築家に求められているのだと思います。
専門技術、専門情報だけでない、純粋な人間としての強い力と能力が必要になって来たような気がします。どの分野の専門家も同じだと思いますが、専門家にとって安住できない本当に厳しい時代だと思います。
3,情報化時代のナビゲーター
インターネットだけでなく、雑誌なども含めて、現在は何でも家づくりの情報が手に入る時代です。情報については、一般の方が専門家より詳しい情報を持っていることは、珍しいことではありません。このような時代では、情報量が問題ではなく、むしろ判断力が重要になって来ると思います。
インターネット時代の専門家は、ホットな最新情報に対して、即断できる力や経験を積むこと大切になると感じています。そのためには、家づくりにおいては、シンプルで、力強い考え方が、望まれると思います。あれもこれもと言うような、加算式の作り方ではなく、むしろ考えをシンプルに、整理した引き算型の方法が、大切になって来たよな気がします。(01/04/14)
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