その3-基本構想提案

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要約:基本構想の提案

[2001/夏]基本構想

 ST-HOUSE 計画の基本方針

まず現地調査を行った上での、今回の敷地の特性を整理すると


1, 2階以上は、通風採光とも良好に確保出来る。
2, ただし、1階部分は、南側に面していても採光はあまり期待出来ない。
3, 高度斜線に対応するには、工法の選択や耐震壁の作り方に注意する。




次にSTさんのご希望をまとめると
1,明るく、風通しが良く、開放的な(壁が少ない)住宅
2,3階建てで、2階中心(リビング・ダイニング・動線など)の生活
3,2階と3階は、吹き抜けを使って一体感を持たせたい。
4,2Fに浴室を設置し、また洗濯動線の工夫をする。
5,子供部屋を、親の目から孤立化させないような工夫。
6,子供の勉強専用スペースの設置
7,暖房効率を良くしたい。
8,個性的な外観
9,車が大きい
10,大きなベランダ





以上の条件を念頭に、計画案をつくってみました。(A案、B案を作成)
その結果、以下のような問題点を解決しながら最良の解答を探すことが、今回の重要課題であると認識しました。
ア,2F中心の生活は、良く理解できるのですが、2Fの面積が大きくなりすぎる。
→ 浴室の位置の工夫。2F浴室がA案、1F浴室がB案
→ 勉強スペースで良いか(A案)、仕切られた部屋とするか(B案)。

イ,車が大きいので、駐車場の位置を工夫する必要あり。
→ 南面道路側
→ ベランダの隙間張りで、建坪率から除外する。
→ 道路標識移動可能

ウ、高度斜線にどうのように対処するか。具体的には壁面線のずれ。
→ 建築工法の検討(鉄骨造、木造ラーメン構造、在来軸組構造など)
→ 予算から考えると、在来軸組工法(開放性を保つ工夫を行う)
→視覚的に透過性を保てる耐震壁の工夫など

D、工事予算と、延床面積のバランス
→ 一般的に、ご希望の住宅イメージは大きくなりやすい。
→ 40坪を基準に大きくオーバーしないような計画
→ 計画案は44坪なので、予算を考えるとまだ10%程度オーバーしている。

以上の問題に対して、計画したものが、A案及びB案です。

A案の概要
ご希望に添って2Fに浴室を設置しました。2Fがすまいの中心の計画ですので、どうしても2Fのスペースが大きくなりすぎる傾向にあり、子供の勉強スペースは、リビングの一部のコーナーにとどめました。視覚的には、一体ですが、仕切られていないので、音の問題をどう考えるか検討が必要です。
また、吹き抜けを設けたので2Fと3Fは一体的な空間になっています。リビングを通る動線は、螺旋階段につながっています。螺旋階段は、視覚的に開放的であり、同時にこの空間のシンボルになります。
2Fには、2つの外部空間を考えました。大きな南面したバルコニーと、キッチン脇の北西の小さなベランダです。後者は、一時ゴミ置き場、一時物干しなどに使います。
キッチンは、住まいの中心であり、概ね住宅を見渡せる位置にあります。
3Fの子供部屋は、始めは大きな空間で、成長とともに間仕切るように考えています。
1Fは、南側に寝室ゾーン、北側に和室(客間)書斎ゾーンを設けました。ただし、この2つのゾーンは、反転した配置も考えられます。


B案の概要
A案の2Fのボリュームが大きすぎる傾向に対して、改良したのがB案です。ただし浴室は1Fに下ろしました。その浴室スペースだった場所を工夫して、子供達の勉強スペースを設けました。一部は収納やユーティリテーを兼用します。アイロン掛けや軽作業なども出来ると思います。キッチン背面には、洗濯専用スペースや小ベランダを設けましたので、洗濯、干し物一時収納、アイロン掛けの作業など一連の作業も便利なプランだと思います。リビングの東側は、壁収納としました。自転車置き場は、もう少し工夫が必要かもしれません。以上の配置のほかは、おおよそA案と同様です。



基本構想 模型

基本構想 模型

基本構想 模型


 


その3おわり

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